800万円以下の物件の仲介手数料特例
800万円以下の宅地・建物の売買では、告示の特例により仲介手数料の上限が33万円(税込)になり得ます。通常の計算との差と、媒介契約で確かめることをまとめます。
特例の中身
令和6年7月1日に施行された告示改正で、「低廉な空家等」の売買・交換の媒介に関する特例(告示第七)が見直されました。告示では、低廉な空家等を「800万円以下の金額の宅地又は建物」と定義し、宅建業者は媒介に要する費用を勘案して、通常の計算(第二)で出る額を超えて報酬を受けることができるとしています。ただし、依頼者から受ける報酬は「30万円の1.1倍に相当する金額」(33万円)を超えてはならないとされています。
名称に「空家」とありますが、告示の定義は価格(800万円以下)で区切られており、空き家かどうかで線を引いているわけではありません。対象になるかどうかは、取引する物件の代金で確認します。
通常の計算との差(本稿の計算)
| 代金 | 通常の計算(第二)の上限 | 特例を使う場合の上限 |
|---|---|---|
| 100万円 | 55,000円 | 330,000円 |
| 200万円 | 110,000円 | 330,000円 |
| 300万円 | 154,000円 | 330,000円 |
| 400万円 | 198,000円 | 330,000円 |
| 500万円 | 231,000円 | 330,000円 |
| 600万円 | 264,000円 | 330,000円 |
| 800万円 | 330,000円 | 330,000円 |
たとえば300万円の土地では通常の計算の上限は154,000円ですが、特例が適用されると最大で330,000円になり得ます。差は176,000円です(本稿の計算)。特例は「受け取ることができる」という上限の定めなので、すべての取引で33万円になるわけではありません。
購入する側が確認すること
国土交通省の資料では、報酬全般について、媒介契約の締結に際しあらかじめ上限の範囲内で報酬額を依頼者に説明し、合意する必要があることを通達で明記する方針が示されています。購入の依頼者として媒介契約を結ぶ場合も、次の点を契約前に確認します。
- 媒介契約書の報酬額が、通常の計算額なのか、特例による額なのか
- 特例による額の場合、通常の計算額を上回る理由(調査や遠方への出張など、媒介に要する費用の内容)の説明を受けたか
- 報酬とは別に、測量・残置物処分・建物調査などの費用を誰が負担するか
低価格の物件は、建物の状態確認や境界の確認、残置物の扱いなどで、手数料以外の支出が大きくなることがあります。手数料の差だけでなく、諸費用の積み上げで総額を比べてください。
相談先・申込先の選び方
空き家や低価格の土地は、地元の仲介会社が扱っていることが多い分野です。依頼先を選ぶときは、宅建業の免許番号を企業情報検索システムで確認し、行政処分歴をネガティブ情報等検索サイトで確認しておくと安心です。報酬額の説明に疑問があれば、免許行政庁の宅建業担当窓口へ相談できます。
確認日:2026年10月12日。本文中の金額のうち「本稿の計算」と記したものは、出典の税率・料率を使って当サイトが計算した例で、実際の税額・費用は物件の評価額や契約条件で変わります。
費用と条件を分けて、ひとつずつ確かめよう。